AIコモディティ化時代の「対人能力」投資と、エンタープライズ攻略の具体策について

OneAIのメンバー皆さんへ。
先日のnote(OneAIの新たなフェーズ)では、動画領域へのプロダクトシフトと、経営体制の「攻め」への転換について共有しました。今回はその続報として、第3四半期マネージャー以上会議で合意した具体的な方針と、エンタープライズ営業強化における新たな仲間について共有します。
1. なぜ「対人能力」への投資なのか——AIコモディティ化という前提
第3四半期マネージャー以上会議で、あらためて全員で確認したことがあります。
生成AIの進化によって、プロダクトそのものは「誰でも作れる時代」に近づいている。
だからこそ、他社が簡単に模倣できない差別化要因は何かを問い直しました。結論は、前回のnoteでも触れた通り、顧客から深く信頼される「人」です。この会議では、その方針を具体的な投資判断として合意しました。
営業・CS/CE(カスタマーサクセス/カスタマーエグゼクティブ)への投資を強化すること。これは単なる人員増強ではなく、プロダクトのコモディティ化が進む時代において、顧客との関係性そのものを競争優位の源泉にするという意思決定です。
同時に、もうひとつ重要な認識をすり合わせました。デザイナーやエンジニアの組織においても、対人業務の重要性が増しているということです。手を動かして作る力に加えて、顧客とのディレクション、部門間の調整といった「人と人をつなぐ力」が、これからのプロダクト開発の速度と質を左右します。営業だけでなく、開発組織全体で「人に向き合う力」を強化していく。これが今回の会議で合意した、大きな方向性です。
2. どう実現するか——エンタープライズPoCを起点にしたプロダクト開発
方針を決めたら、次は実行です。第3四半期マネージャー以上会議では、プロダクト開発の進め方についても合意しました。
エンタープライズ企業とのPoC(概念実証)を通じてプロダクトを磨いていく。
机上で仕様を固めてから売りに行くのではなく、実際の大型顧客との実証プロジェクトの中で、プロダクトの解像度を上げていくアプローチです。
この方針のもとで、開発リソースの配分についても議論しました。既存のLINE領域と、新規の動画プロダクト領域への開発リソース比率は、概ね既存1:新規2で考えています。前回のnoteで触れた「動画×チャットボット」への軸足の移動を、リソース配分という形で明確にした数字です。
3. 台湾市場の位置づけ——数字だけでは測れない役割
台湾事業について、正直な現状も共有します。台湾のCX事業は、YoYでマイナスが続いています。
しかし、この数字だけで台湾市場の価値を判断すべきではないと考えています。台湾は、グローバル向け新プロダクトの実験場として、OneAIにとって引き続き重要な意味を持つ市場です。日本市場とは異なる商習慣やユーザー反応の中で新プロダクトを検証できることは、他では得難い資産です。
だからこそ、台湾CXカンパニーには、単純な売上KPIだけでなく、PoC実施件数もKPIとして追いかけてもらいます。実験場としての役割を、組織の目標設定にもきちんと反映させるということです。
先日も、台湾のAIソフトウェア分野の展示会にサイネージでOneLiveを出展し、製造業や小売業など、業界の異なる多くの企業の方々と直接意見交換をしてきました。こうした現場での対話の積み重ねが、次のPoCにつながっていきます。
4. 日本側エンタープライズ営業の要——端さんのジョイン
前回のnoteで「市場を大きく動かせる強力なキーマンとの会話が最終局面」とお伝えしていましたが、その報告です。
日本側のエンタープライズ営業のキーマンとして、端 大輔(はた だいすけ)さんが正式にジョインしてくれることになりました。
端さんは、国内屈指の営業力を誇るマイナビで営業部長まで上り詰めた方です。その後独立し、デジタルマーケティング領域で事業を展開してきました。
実は端さんとは、この1年ほど外部顧問として大型案件をご紹介いただく関係が続いていました。その中で培った信頼関係と、エンタープライズ営業における実行力を評価し、今回、より深くOneAIにコミットしていただく形になりました。
まさに、「AIコモディティ化時代だからこそ人の力で顧客の信頼を得る」という今回の会議の結論を体現するジョインです。
5. 最後に
今回お話しした内容は、すべて前回のnoteで示した「攻めの経営体制」を、具体的な数字と人でどう実行に移すかという話です。
- 営業・CS/CE、そして開発組織全体での「対人能力」への投資
- エンタープライズPoCを軸にしたプロダクト開発、既存1:新規2のリソース配分
- 実験場としての台湾市場と、PoC実施のKPI化
- エンタープライズ営業の要となる端さんのジョイン
方針は決まりました。7月22日の第3四半期全体会議では、各部門長からそれぞれの実行計画について報告してもらいます。楽しみにしておいてください。